履歴書を読んでもらうには

From The Joel on Software Translation Project

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Joel Spolsky / 青木靖 訳
2004年1月26日月曜


私はFog Creek Softwareのサマーインターンシップへの応募の山に目を通していた。何と言っていいのか分からないけれど、その中には実にもってまずいのがある。これは別にその人たちがばかだとか、不適格だと言っているわけではない(実際そうなのかもしれないが)。私がその答えを知ることは決してないだろう。なぜなら、たった2つの応募枠に優れた応募が山ほど来ているときに、応募先の会社の名前を正しく綴れないような人の面接で時間を無駄にしようとは思わないからだ。

だからあなたが履歴書を送るときにチェックするためのヒントをいくつか挙げておこう。

  • 履歴書は次のステージである面接に進むための手段だ。企業は1つの採用枠に対して、しばしば何ダースもの履歴書を受け取る・・・私の会社の場合だと、100通から200通というところだ。そんなにたくさんの人の面接をするのは不可能であり、唯一できるのは、履歴書でふるい落とすということだ。履歴書を職を得るための手段とは思わないこと。履歴書というのは採用マネージャに削除ボタンを押す口実を与えるものなのだと心しておこう。生き残るためには、あなたの履歴書は、少なくとも形の上では完璧である必要がある。
  • もし自分が不適格な場合には職に応募しないこと。採用広告が「サマーインターン」を募集しているなら、フルタイムの職を求めたりしないことだ。それで職を得られる可能性はまずないので、時間を無駄にするだけだ。(それが将来においてあなたに不利に働くことはもちろんない。あなたの応募はすぐに削除されるので、その後フルタイムのポストで募集したときにあなたが応募してきても、覚えてはいないだろうから。)
  • これは本当にいらいらさせられるのだが、スペースとそのほかの区切り記号の正しい置き方を学ぶこと。カンマを使うときには、正確に1つのスペースカンマの後ろにつけ、決して前には付けないこと。お願いするよ。
  • 昔は履歴書というのは郵便で送られ、一番上に表紙をつけて、履歴書の送られた理由を書いたものだ。今では履歴書を送るのにはメールが使われており、添え状を添付して添え状の添え状をメール本文に書くというようなことをすべき理由はまったくない。無意味だ。
  • さらにばかげているのは、メール本文が空で、2つの大きなWord文書が添付されているというものだ。これでは単にスパムフィルタで濾し取られるだけだ。相手はそれを目にすることもない。
  • 本から写した添え状を使わないこと。「私はこのポストの候補者には、チーム指向でかつ細部に気を配り、プレッシャーのある状況下でも上手く仕事をこなせること、会社のいろいろな部署の人たちと上手くやっていけることが要求されることを理解しています」みたいなことを書いたとしたら、良くて嘘つき、悪ければ自分の考えを形成する脳の機能を持ち合わせていないのだと思われることになる。
  • 人称代名詞の"I"は常に大文字で書くものだ。すべての文はピリオドで終わる。あなたの添え状が次のようなものなら、私は履歴書を開きさえしないだろう。
   i m interested in your summer job. 
   here is my resume 
   (ぼく夏の仕事やりたい。
   これ履歴書ね)
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   Do you Yahoo!? 
   Yahoo! SiteBuilder - Free web site building tool. Try it! 
   (Yahoo!をお使いですか? 
   Yahoo! SiteBuilderは無料のWebサイト構築ツールです。お試しください!)
  • フリーメールアカウントやAOLのアカウントを使うと、まずいメールを送ることになる。そういうのを使っている人は非常に多いので、そのために失格になることはないが、crazydood2004@hotmail.comみたいなアドレスは、name@alumni.something.edu (訳注: 大学が卒業生に交付しているメールアドレス)ほどいい印象を与えない。だいたいあなたは本当に私がYahoo!を使っているか知りたいわけ? あなたはFog Creekの職に応募していながら、Fog Creek製品の競合であるYahoo! SiteBuilderを私に宣伝したいと、本当に思っているの?
  • 英語圏の国の多くでは、Mr. Joel Spolsky宛のメールを"Dear Spolsky"で始めるのは礼儀にかなっているとはみなされない。"Dear Mr. Spolsky"あるいは"Dear sir"、もしくは"Hi Joel!"と書くことはあるかもしれないけど、"Dear Spolsky"には、その後に横領資金の話と銀行口座を貸してくれという相談が続いているのが常だ。
  • 採用の必要条件の中の1つを取り上げて、それには従えないとは書かないこと。「サマーインターンシップの必要条件として、ニューヨークで面接を受けることとあります。私はその職に興味があるのですが、私が住んでいるのはテネシー州のイーストノーウェアなんです」。OK、結構だね、ずっとそこにいるといい。追伸をもう1つ。必要条件として「英語での作文と会話の優れた能力を持っていること」と明記してあったはずだ。実際、これは私たちが第一に要求することだ。だから、少なくとも誰かに添え状をチェックしてもらって、明らかなミスをなくすようにして。前に言ったように、あなたの履歴書をゴミ箱に放り込む口実を相手に与えないようにすることだ。

なんで私がこんなことを書かなきゃならないのか分からない。こんなことは、この惑星上のどんな「履歴書の書き方」本でも、最初の章に書かれているはずだ。それなのに私は依然として、面接を受けられるために何が必要かまったくわかっていない愕然とするような履歴書を受け取り続けている。

あまり否定的にならずに、建設的なアドバイスをすることにしよう。

  • あらゆる部分を100回校正し、他の人にも校正してもらうこと。英語(国語)の成績がいい人にだ。
  • 応募する職に合った添え状を自分で書くこと。添え状の文章を人間的なものにすること。あなたは自分のことを人間として見てほしいはずだ。
  • 応募方法の指示を良く読むこと。それは理由があって書かれているのだ。たとえば私たちのWebサイトでは履歴書をjobs@fogcreek.comに送るように指示している。ここに送られたメールは、私たちが優れた候補者を見つけようとして探すフォルダに入るようになっている。あなたは何かの理由で、履歴書は印刷して郵便で送った方が目立って注意を引けると思うかもしれないが、そういう考えは捨てることだ。紙の履歴書はスキャンしない限り、候補者の管理に使っているメールフォルダには入らない。で、どうなると思う? 私のオフィスではスキャナはシュレッダーの隣に置いてあり、そしてシュレッダーの方がスキャナより使うのが簡単なのだ。
  • あまりにたくさんの職に応募しないこと。同時に3つか4つより多くの職に応募すべき理由があるとは思えない。履歴書スパムや、100個もの職に応募している兆候があれば、それは職探しに必死であるように見せることになり、あなたは不適格であるように見えることになる。あなたは自分が有能で引く手あまたなように見せたいはずだ。どこで働くか決めるのは自分であり、なぜなら優秀な自分にはそれに関して選択肢があるからで、それだから1つか2つの職に応募すれば十分なのだ。パーソナライズされた添え状で応募先の会社が何をしているかよく理解していることを示せば、あなたがチャンスを与えるに値するものになろうと気を使っていることをアピールできる。

こういったことは薄っぺらに思えるかもしれない。実のところ、私たちが履歴書を見るときに本当に探しているのは、情熱的で、何であれ、やろうとしたことに成功する人間だ。私たちはソフトウェアに対して情熱的な人間が好きだ。ティーンのときにシェアウェアを作っているというのは、私たちにはMITに入ったというのと同じくらい魅力的に思える。これはあなたの人生の物語であり、あなたが職に応募する時点でそれを変えようとするのは、たぶん遅すぎるのだ。

カンマとスペースの関係を理解していないというだけで誰かを落としたりするだろうか? 必ずしもそうするわけではない。しかし300人の応募者の中から2人のサマーインターンを選ぶとき、履歴書について私がするのは次のようなことだ。良い、まあまあ、悪い、の3つの山を作る。マイケルにも同じ履歴書を渡して、同じことをしてもらう。2人とも良い山に入れる人たちはいつでも十分たくさんおり、チャンスがあるのはその人たちだけだ。原理的には、私たちが両方とも「良い」と評価する人が十分にいない場合には、「良い」と「まあまあ」の評価を1つずつ受けた人も対象に加えるのだが、実際にはそういうことは起らない。全員について、薄っぺらな履歴書を見るだけでなく、彼らの長所を考慮してやることができればと思うが、それは現実的ではない。そして大学出の人間に履歴書を正しく書けない理由はないのだ。


(追記 2004年1月27日)

誰かに自分の履歴書をよく見てもらうための最良の方法は、人間的な印象を与え、単なる職歴やプログラミング言語のリストにしないことだ。ちょっとしたストーリーを聞かせてほしい。「私はこの3ヶ月間本当のソフトウェア会社の職を探していましたが、見つけられたのは、奴隷労働を求めている低俗なWebデザインショップばかりでした」。あるいは、「私たちは息子を高校から引っ張り出してバージニアにつれてきました。彼が高校を卒業するまでは、たとえ私がラジオシャックで働いたりウォルマートの案内係をすることになろうとも、もう引っ越すつもりはありません」(これらは実際の人の言葉を若干修正したものだ)。

これはどちらも素晴らしい。なぜだかわかる? 彼らが人間だと考えずにこれを読むことはできないからだ。そしていまや力学は変わっている。私はその人のことが好きになっている。その人のことを気にかけている。その人が本当のソフトウェア会社で働きたいと思っているという事実を私は気に入っている。私は本当のソフトウェア会社で働きたいと思うあまり、自分で会社を作ったくらいなのだ。私はその人が自分のキャリアよりもティーンエージャーの息子のことを気にかけているという事実が気に入っている。

こういうのと同じくらいにC/C++/Perl/ASPについて気にかけたりすることはできない。

だから、その人がその職に必要な資質を持たなかったとしても、その人のことを即座に切るというのは、私にはすごく難しくなるのだ。


(オリジナル: Getting Your Résumé Read)

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