記憶に残るようなカスタマサービスへの7ステップ

From The Joel on Software Translation Project

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Joel Spolsky / 青木靖 訳
2007年2月19日 月曜

自力で立ち上げたソフトウェア会社であるFog Creekには、最初の2年くらいの間カスタマサービス専任のスタッフを雇う余裕はなかった。それでマイケルと私がカスタマサービスをやっていた。顧客を助けるために費やされる時間は、私たちが製品を改善するのに使うべき時間を奪うことになったが、私たちはその中で多くのことを学び、今ではカスタマサービスをずっとうまく運営できるようになった。

以下では記憶に残るようなカスタマサービスを提供するために私たちが学んできたことを述べようと思う。ここで「記憶に残る」と書いたのは文字通りでの意味だ。目指しているのは、あまりにすばらしくて人々の記憶に残るようなカスタマサービスを提供するということなのだ。


1. 問題はすべて2通りの方法で解決する

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テクニカルサポートの問題はほとんどすべて2通りの解決法がある。表面的で対症療法的な処置をする解法では、単に顧客に起きている問題自体への対策をする。しかしもう少し深く考えてみれば、通常もっと本質的な解法を見つけることができるものだ。これはその種類の問題が以後2度と起きないようにするような解法だ。

時にそれは、ソフトウェアやセットアッププログラムをもっと知的にすることを意味する。今では私たちのセットアッププログラムには、特殊なケースのチェックが山ほど入っている。時には単にエラーメッセージの文言を改善するだけでいい場合もある。考えつく1番いい方法がナレッジベースに項目を追加することである場合もある。

私たちはテクニカルサポートへの電話の1本1本を、NTSB(国家運輸安全委員会)が航空機事故を扱うような仕方で扱っている。飛行機が事故を起こすたび、彼らは調査チームを送り出して何が起こったのかを解明し、その問題が2度と起きないようにするための新しいポリシーを考え出す。これは航空安全の上で非常にうまく機能しており、アメリカでごく希に起こる航空機事故は、いつでも非常に特殊な1回限りの状況の元で起きている。

これは2つのことを意味する。

第1に、テクニカルサポートは開発チームと接触できることが必須だ。つまりテクニカルサポートはアウトソースできないということだ。問題を修正できるためには、テクニカルサポートは開発者たちと同じ所番地にいる必要があるのだ。多くのソフトウェア会社は相変わらずテクニカルサポートをバンガロールやフィリピンに置いたり、あるいはすっかり他の会社にアウトソースしてしまうのが「経済的」だと考えている。確かに個々のインシデントにかかるコストは50ドルから10ドルに減るかもしれないが、その10ドルは繰り返し繰り返し払い続けなければならないのだ。

私たちがテクニカルサポートを、ここニューヨークにいる優れた資質を持つ人に処理させるなら、そのインシデントを私たちが目にするのはおそらくその時が最後になる。だから50ドルのインシデント1回で、まるまる問題のクラスを1つ消し去ることができるのだ。

どうしたものか、電話会社やケーブルテレビやISPというのは、この方程式が理解できないらしい。彼らはテクニカルサポートを1番安いところにアウトソースし、ソースコードを1回限り修正する代りに、同じ問題に繰り返し繰り返し対処するために10ドルを繰り返し繰り返し払い続けている。安価なコールセンターには問題を解消するメカニズムがない。実際、彼らは問題を解消するインセンティブを持たないのだ。それというのも、彼らの収入は仕事が繰り返されることに依存しており、同じ質問に同じ答えを繰り返していればいいということほど、彼らにとってありがたい話はないのだ。

すべてを2通りの仕方で解決するということのもう1つの帰結は、やがて一般的で単純な問題はすべて解消され、奇妙で珍しい問題だけが残るということだ。それはいい。問題の数ははるかに少なくなっており、機械的なテクニカルサポートをしないで済むことで、多くの金が節約できる。しかしその反面、テクニカルサポートには機械的にこなせる問題はなくなり、本格的なデバッグと問題解決を要するものばかりということになる。新入りによくある10種類の対応方法を教えておけば済むというわけにはいかないのだ。彼らにはデバッグの仕方を教える必要がある。

「すべてを2通りの仕方で解決する」信条は私たちにとって本当に報われるものだった。テクニカルサポートの費用を倍にするだけで、売り上げを10倍にもすることができたのだ。


2. ホコリを払うように勧める

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Microsoftのレイモンド・チェンが、キーボードが効かないと苦情を言うユーザの話を書いている。もちろん、それはつながってないせいだ。しかし、ちゃんとつないでますかと聞こうものなら、「彼らはまったく侮辱されたように感じ、憤然として言うのだ。『もちろんつながってるさ! 私をバカだと思ってるのか?』 そして実際確かめてもみない」

「そんな風に言うのではなく、こう言ってみることだ」とチェンは提案している。「『ああ、接点にゴミがついて接続が弱くなることがあるんです。1度コネクタを抜いて、接点のゴミを吹き払ってから、つなぎ直してみてもらえますか?』
すると彼らは机の下にもぐり込んで、それをつなぎ忘れていた(あるいは間違ったポートにつないでいた)ことに気付き、ホコリを吹き払ってから接続し、そして『あっ、直ったみたいだ。どうもありがとう』と答えるのだ」

この言い方はユーザに何かを確認してもらいたい場合の多くに使うことができる。設定を確認してくださいという代りに、「ソフトウェアが設定を間違いなく記録するように」、設定をいったん変えてからまた元に戻してみてくださいと言うのだ。


3. 顧客をファンにする

Fog Creekではロゴ付きのグッズはいつもLands' Endに頼んでいる。

なぜか?

これについてちょっと話をさせてほしい。私たちはトレードショーのためのシャツが入り用だった。それでLands' Endに電話して、以前買ったナップサックに使ったのと同じロゴのついたポロシャツを2ダース注文した。

ポロシャツが届いたとき、ロゴが読めないのを見て愕然とした。

わかったのは、ナップサックはポロシャツより明るい色をしていたため、ナップサックには合っていた糸の色が、ポロシャツには暗すぎたのだ。

私はLands' Endに電話した。いつものように、ベルの音がし始める前に人間が出た。彼らはきっと、次の担当者が列を作って準備しているようなシステムを採用しているに違いない。だから顧客はベルが1回鳴るのを待つまでもなく、人に応対してもらうことができる

私は困っていることを説明した。

彼らは「心配しないでください。そのシャツを送り返して頂ければ、こちらで別な色の糸でシャツを作り直します」と言った。

私は「トレードショーは2日後なんだ」と言った。

すると彼らは、新しいシャツをFedExで送るので、明日には着くだろう、古いシャツは都合のいいときに送り返してもらえばいいと言った。

彼らは両方の送料を負担した。私は1セントも出さなかった。読めないFog Creekのロゴのついたシャツなんか彼らには使い道がないだろうに、費用をかぶったのだ。

そして私はこの話をみんなにしている。電話のメニューシステムについて話すときや、カスタマサービスについて話すときは、いつもこの話をしている。彼らは際立ったカスタマサービスを提供することで、私がそれを触れ回るようにしているのだ。

顧客が問題を抱えており、それをあなたが解決するなら、彼らは始めから問題なんかなかった場合よりもいっそう満足を覚えるのだ。

これは期待に関係している。多くの人の持つテクニカルサポートやカスタマサービスの経験というのは、航空会社や電話会社やケーブルテレビやISPなんかに対するものだ。これらの会社というのはどれも概してひどいカスタマサービスをしている。あまりにひどいので、2度と電話しようと思わないほどだ。だから誰かがFog Creekに電話したとき、録音テープや電話メニューなしで即座に人間につながれ、しかもその人が感じが良くて親切で、実際に彼らの問題を解決してくれるということがわかると、このようなやり取りをする機会がなくて私たちを平均的だろうと思っている人よりも、私たちのことを高く評価するようになる。

まあ、私たちの優れたカスタマサービスを見てもらおうと、わざわざ意図的にトラブルを起こしたりはしないが。顧客の多くは電話せずに黙って怒っているものなのだ。

しかし誰か電話してくる人がいるときには、私たちがいかにすばらしい仕事をしているかと言いふらしてくれる熱狂的な顧客を生み出せるチャンスだと私たちは見ているのだ。


4. 責めを負う

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ある朝のこと、アパートの予備の鍵が必要だったので、仕事に行く途中に角の錠前屋に立ち寄ることにした。

ニューヨークのアパートに13年間住んでいる経験から、私は錠前屋を決して信用していなかった。彼らの作る合い鍵の半分は使えないからだ。それで家に戻って新しい鍵が使えるかどうかテストしてみると、案の定、使えなかった。

私は鍵を持って錠前屋に戻った。

彼は鍵を作り直した。

私は家に戻り、新しい鍵を試した。

また駄目だ。

私はいい加減頭に来ていて、頭から湯気を立てていた。仕事に行くのが30分遅れてしまい、錠前屋に3度も足を運ぶことになったのだ。その錠前屋はもう見限ってしまおうかとも思ったが、その負け犬にもう1度だけチャンスをやることにした。

私が錠前屋にドカドカと入っていき、怒りをぶちまけようとしたときだった。

また駄目ですか?」とその男が聞いた。「見せてください」

彼は鍵を調べた。

私は家と錠前屋を行ったり来たりして朝をつぶすことになったことへの怒りをできるだけうまく表そうとして、しどろもどろになっていた。

「ああ、これは私のミスです」と彼は言った。

そして急に、私の怒りが消えた。

不思議なことに、「私のミスです」という言葉が、私の心をすっかり和らげたのだ。その言葉だけで十分だった。

彼は3個目になる鍵を作った。私はもはや怒ってはいなかった。その鍵はちゃんと使えた。

私はこの惑星で40年生きてきたが、「私のミスです」という一言が自分の感情を一瞬にして変えてしまったことに驚いている。

ニューヨークの錠前屋の多くは自分のミスを認めたりしない。「私のミスです」と言うことは、彼らにまったく似つかわしくない。しかし彼はそうしたのだった。


5. 言いにくい言葉を覚えておく

まあいいや、どうせ朝は潰れてしまうんだし、朝食にディナーでも食べに行った方がよかろうと私は思った。

入ったのはニューヨークの典型的なレストランの1つで、ザインフェルドに出てきそうな所だった。30ページのメニューがあって、キッチンは電話ボックスくらいの広さしかない。どういうこと? 彼らはきっとスタートレックのテクノロジーを持っていて、材料を全部その狭いスペースに詰め込んでおけるのだろう。あるいはその場で原子を並べ替えているのかもしれない。

私の席は勘定場の近くだった。

年配の女性が支払いにやってきて、彼女はお金を出しながら、オーナーに、「私はここに何年もずっと来ているけど、あのウェーターは私にすごく失礼だったわ」と言った。

オーナーは怒った。

「どういうことですか? 彼は失礼なんかじゃない! 彼はいいウェーターだ! 今まで苦情を受けたことなんかない」

その客にはそんな反応は信じられなかったのに違いない。彼女は店を贔屓にしている客であり、ウェーターの中に少しばかりマナーを教えてやる必要のある者がいると教えてあげようとしたのだが、オーナーはそれに反論しているのだ!

「それは結構ね。私は何年もここに来ていて、みんないつも良くしてくれるけど、でもあの人は失礼だったわ」 彼女は辛抱強く説明した。

「あんたがいつから来てるかなんてどうでもいい。うちのウェーターは失礼なんかじゃない」。オーナーは彼女に怒鳴った。「うちじゃあ問題なんて今まで全然なかった。どうして問題を起こそうとするんだ?」

「ちょっと、私をそんな風に扱うんだったら、2度と来ませんよ」

「結構!」とオーナーは言った。ニューヨークでレストランをやっていることの何がいいかというと、この街にはすごくたくさん人間がいるので、店にやってくる客にいちいち不愉快な思いをさせたとしても、客は十分たくさんやってくるということだ。「2度と来ないでくれ! あんたみたいな客はたくさんだ!」

大したものだと私は思った。60何歳かの年配の女性とレストランのオーナーがいて、オーナーは小さなおばあさん相手にちょっとした精神的勝利をおさめたわけだ。満足したかい? いったいどれだけマッチョな必要があるというんだ? 精神的勝利はいい気分だった? だけどリピート客を失う必要が本当にあったの?

「申し訳ありません。彼によく言っておきます」と言うのでは、女々しすぎると思う?

苦情を言われている時にその場の感情に流されるのは簡単だ。

これに対する解法は、大事な言葉を覚えておいて、それを言う練習をしておくということだ。そしてそれを言う必要のあるときに、自分のテストステロンのことは忘れて顧客を幸せにできるようにするのだ。

「すいません、私のミスです」

「申し訳ありませんでした。お代を頂戴するわけにはまいりません。店の方で持たせて頂きます」

「それはひどい。何があったのか詳しく教えてください。2度とそのようなことのないように致します」

「私のミスです」と言うのに抵抗を感じるのはまったく自然なことだ。人とはそういうものなのだ。しかしこの一言が、怒っている顧客を幸せな顧客に変えるのだ。だからあなたはそれを言う必要がある。そして心から言っていることが伝わる必要がある。

だから練習をするのだ。

朝シャワーを浴びながら「私のミスです」と100回言ってみよう。それが意味のない音に聞こえるようになるまで。そうしたら必要なときにそれを言えるようになる。

もう1つ付け加えておこう。あなたは誤りを認めるというのが、訴えられかねない絶対にやってはいけないことだと思っているかもしれない。しかし訴えられないようにする本当の方法は、あなたのことに腹を立てている相手を作らないということなのだ。そしてそうするための最良の方法は、誤りを認め、その問題を正すということだ。


6. 操り人形の練習をする

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あの腹を立てたレストランオーナーは、問題をごく個人的に受け取っていた。一方で錠前屋はそうは受け取っていなかった。怒った顧客が苦情を言ってきたり、怒りをぶちまけているとき、防御的になるというのは普通のことだ。

そういった議論であなたが勝つことは決してない。そしてそれを個人的に受け取るなら、何百万倍も悪くなる。そういうときには、会社のオーナーがこう言うようになる。「おたくみたいなクソ野郎なんかお客に欲しかない!」 そして彼はあまりに犠牲の大きな勝利に興奮する。ワオ、こいつはすごかったよな? 小さな会社のオーナーであれば、顧客を解雇したようなものだ。すばらしい。

結論を言うと、そういうのはビジネスには良くないということだ。そしてこれはあなたの精神衛生のためにも良くない。顧客を解雇することで勝利を得るなら、あなたは相変わらず怒り、いら立っており、彼らの方はクレジットカード会社からお金を取り戻し、何ダースもの友達にその話をすることになる。パトリック・マッケンジーが書いているように、「あなたは顧客との議論に決して勝つことはない」のだ。

怒れる顧客の相手を感情的に切り抜けるための唯一の方法は、彼らが怒っている相手は自分ではないのだということを認識することだ。彼らはあなたの会社に怒っているのであり、あなたはたまたま手近にいた会社の代表者というにすぎない。

彼らはあなたを操り人形のように扱っている。会社の象徴的な身代わりだ。だからあなた自身も、自分を操り人形のように扱う必要がある。

操り人形師の立場で見ることだ。顧客が怒鳴っている相手は操り人形であり、あなたに怒鳴っているわけではない。彼らは人形に怒っているのだ。

あなたの仕事は、「この人を幸せな顧客に変えるためには、人形に何を言わせたらいいか」を見出すことだ。

あなたはただの人形使いだ。議論には関わっていない。顧客が「おたくのスタッフはひどいもんだ」と言うとき、彼らはただその役を演じているだけだ(今の場合、彼らは映画Office Spaceのトム・スミコウスキを引用しているのだ)。あなたも役を演じたらいい。「すいません、私のミスです」。彼らを幸せにするために人形に何をさせればいいかと考え、そしてあまり個人的には取らないことだ。


7. 強欲ではどこにもたどりつけない

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最近、私はFog Creekでこの1年間のカスタマサービスの大半をこなしていた人たちと話をして、怒った顧客に対するのにどんな方法が一番効果的か尋ねてみた。

「正直なところ」と彼らは答えた。「うちはいい顧客ばかりで、怒っている顧客というのには実際出会ったことがないんです」

うちにはいい顧客がいるというのはありがたいんだけど、電話の対応を1年やっていて怒っている相手が誰もいなかったというのはちょっと普通じゃない。コールセンターで働くということの本質は、1日中怒っている人たちの相手をすることだと私は思っていた。

「いいえ、うちの顧客はいい人たちばかりですよ」

私の考えではこういうことだ。私たちの顧客が穏やかなのは、彼らが心配していないからであり、そして彼らが心配していないのは、私たちがバカみたいにリベラルな返品ポリシーを持っているためだ。「あなたがものすごく満足しているのでない限り、お金をいただこうとは思いません」

顧客は恐れるべきことが何もないことを知っている。この関係においては彼らの方が力を持っている。だから彼らは口汚く罵るようなことがないのだ。

質問なしの90日間返金保証は、Fog Creekがした決断の中で最高のものだ。ちょっとこれを試してみて。Fog Creek Copilotを24時間使い、3ヶ月後に電話して言うのだ。「ねえ、コーヒー代に5ドル必要なんだ。あのCopilot 1日パスのお金返してくれないかな?」 そしたら私たちはそのお金を返す。91日目か92日目か、あるいは203日目に電話してみてごらん。それでもあなたはお金を返してもらえる。あなたが満足していないなら、私たちはお金をもらおうとは思わないのだ。広告がうまくいかないときは返金する求人広告サービスをやっているのは私たちくらいなものだ。そんなのは前例がないが、このことによって私たちはずっと多くの広告の申し込みを受けることになり、それは彼らに失うものがないからなのだ。

過去6年の間、ソフトウェアの返品を受け付けることが私たちに要したコストは2%だけだ。

2%。

それだけじゃない。多くの顧客はクレジットカードで支払いをする。私たちが払い戻ししなければ、彼らの多くは銀行に電話して払い戻させることになる。これはチャージバックと呼ばれている。彼らはお金を取り戻し、私たちはチャージバック手数料を払う。これがたびたび起きると、私たちの手数料は引き上げられることになる。

Fog Creekのチャージバック手数料率がいくらだと思う?

0%だ。

冗談ではなく。

私たちが簡単に払い戻しに応じないようなら、顧客の何人かをうんざりさせ、彼らが自分のブログで呻いたり喚いたりすることになる。そうまでして彼らのお金を持っていたいとは思わない。

どのような場合であれ払い戻しはしないとWebサイトに明記しているソフトウェア会社があるのを知っているが、しかし真実を言えば、あなたが彼らに電話したなら、彼らは結局は払い戻しをする。彼らがそうしなくとも、クレジットカード会社がそうするということを彼らは知っているからだ。これはどちらの面から見ても最悪だ。結局金は払い戻すことになり、何も悪いことは起こらないという曖昧で暖かい雰囲気を潜在顧客に感じさせることもできない。だから彼らは買う前にためらうことになる。あるいはそもそも買わなくなってしまう。


8. (おまけ!) カスタマサービスの人たちのためのキャリアパスを用意する

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私たちがFog Creekで学んだ重要な教訓の最後のものは、顧客と話す人々はとても高い資質を持っている必要があるということだ。Fog Creekのセールスパーソンはソフトウェア開発プロセスについてのしっかりした経験を持ち、FogBugzがそのような動き方をするのはなぜであり、どうしてそれがソフトウェア開発チームをよりよく機能させることになるのかを説明できる必要がある。Fog Creekのテクニカルサポートの人たちは、一般的な質問に対する決まり切った答えで切り抜けることはできない。私たちは一般的な問題はすでにソフトウェアから取り除いているため、テクニカルサポートは本当のトラブルシュートをする必要があり、それはしばしばデバッグを意味する。

資質の優れた人の多くは最前線のカスタマサポートの仕事には飽きてしまうものであり、そのことは理解している。この問題に対処するため、私は明確なキャリアパスなしにテクニカルサポートスタッフを雇うことはない。Fog Creekではカスタマサポートは3年間のマネジメントトレーニングプログラムの最初の年にだけやる仕事となっている(このプログラムにはコロンビア大学のテクノロジーマネジメントのマスター取得が含まれている)。これによって、すごいキャリアパスの途上にいる野心的で頭のいいギークが顧客と話をし、彼らの問題を解決することができるようにしている。私たちはテクニカルサポートの仕事に平均よりずっと高い費用を払うことになるが(ことに年2万5千ドルになる授業料を考慮するなら)、しかし私たちはそこからはるかに大きな価値を引き出しているのだ。


(オリジナル: Seven steps to remarkable customer service)

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