Jobs.joelonsoftware.comについて

From The Joel on Software Translation Project

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Joel Spolsky / 青木靖 訳
2006年9月5日 木曜


8月はすべてが動きを止める月だ。多くの人が夏休みでいなくなり、残った人も自分の仕事をするために必要な相手がつかまえられなくなる。

しかしその8月も過ぎた。アメリカのカレンダーで伝統的な夏の終わりの休日となっている労働者の日の連休も、ちょうど終わったところだ。だから今日はJoel on Softwareに新しいコーナーを付け加えることにしよう。jobs.joelonsoftware.comというひねりのない名前の求人リストだ。

ニッチ向けの求人掲示板というアイデアは私のものではない。何百万の企業と何百万の求職者を集めているあの巨大な求人掲示板より、ニッチ向けの掲示板の方がいいアイデアであるのがなぜか分るのにはしばらく時間がかかった。ニッチ向けの求人掲示板の目標は控え目なものであり、1ダースほどの優れたプログラマたちが一緒に働く素晴らしい場所であるような会社が、何ダースか集められればそれでいい。

職に応募するための伝統的な方法は、添状と履歴書を送るというもので、これは雇用者に「たぶんOK」と「たぶんNG」を見分けるための十分な情報を与えない。多くの雇用者はMonsterやYahoo! HotJobsやCraigslistに採用情報を掲載し、分別不能な履歴書の洪水に見舞われて、失望をしている。

問題は求職者にとっても同じだ。彼らが巨大な求人掲示板を見るとき、見分けの付かない職の山を目にする。それはしばしば間抜けなヘッドハンターによって投稿されていて、求職者が必要としないあらゆる情報(「何かのリーディングプロバイダー」とか)が詰め込まれ、求職者が必要とする情報は何も与えていない(会社の名前は何? そこは核兵器を作ってる? 個室のオフィスと大きなモニタはもらえるの? 食べ放題のM&Mがある? そこにいるのは、だらしのないハッカーなの、それとも優れたハッカーなの? Ruby on Railsは使える?)

だから、会社の実際の名前をちゃんと教えてくれ、運がよければジョエルテストのスコアまで教えてくれる、えり抜きの採用情報を何件か載せた落ち着きのある限定的なクラブと、地上で最高のソフトウェア開発者たちのコミュニティ(あなたたちのことだ)を組み合わせれば、それは求人する人にも求職する人にもずっといいものになると思ったのだ。

これは万人のためのものではなく、バスの横に広告が出ているのを目にすることはないだろうが、しかし、素晴らしい職と、素晴らしいプログラマをここで見つけることができるだろう。

少なくとも理論上はそういうことだ。こういうニッチ向けの求人掲示板はたくさん現れている。37signalsはWebデザインの仕事に重点を置いたものを作っている。CrunchBoardはもっぱらWeb 2.0の仕事を対象としている。自分のニッチ向け求人掲示板をセットアップするためのツールを提供するJobThreadという会社まである。これはSalonそのほかがやっているものだ。私たちには果たして小さな求人掲示板が山ほど必要なのだろうか? 私には分らないが、しかしJobThreadのエリック・ユーンの言っていることには同意する。「ビッグスリーが2億ドルのオンライン求人広告マーケットの70%を握っているが、リクルーターも企業も広告掲載で非常に不満足な経験をしている」

37signalsのジェイソン・フリードがこのアイデアを広めてきた。「大きなサイトはショットガンアプローチを取っている。あなたが採用情報を投稿すると、誰でもそれを見ることができ、ターゲティングもなく、考えが合うかも考慮されない。私たちが感じているのは、適切な人を採用したかったら、適切な人たちがいる場所に行く必要があるということだ」

Fog Creekのサマーインターンであるノア・ワイスも貢献している。彼は私たちが試しにやってみることに同意するまで、求人掲示板でどうするとかこうするとか言い続けて黙ることがなかった。そしてこれは、Joel on Softwareの常連の読者の中から優れたソフトウェア開発者を見つけるのを手伝ってくれと絶えずせっついてきたたくさんの友人たちのおかげでもある。

では少し詳しい話をしよう。掲載情報のクオリティを保つため、無料の掲示板にはしない。掲載には350ドルかかる。そして3週間しか掲載されない。私の考えでは、古くなった仕事には、どの道誰も応募しようとは思わないのだ。私の知る限り他のどの求人掲示板もやっていないことだが、私はFog Creek標準である質問なしの90日間返金保証をつけることにした。誰も見つけることができなかったなら、お金は戻ってくる。誰かは見つかったが、その人がボリショイに入るのをやめてしまったという場合も、お金は戻ってくる。ひどい履歴書の山しか手に入らなかったという場合も、お金は戻ってくる。誰かを雇って、その人はすごく飼い猫になつかれていて、職場にその猫を連れてくるものだから、経理係のリザがひどくくしゃみをすることになり、アレルギー専門医にかかってあなたの会社の保険の掛け金をつり上げることになった場合は、たぶん、あなたは面接の時に猫のことを聞いておくべきだったと思うが、しかし、まあ、その場合もお金は戻ってくる。

あなたの所がちゃんとした慈善団体か教育機関である場合には、親切なカスタマサービスの人たちが対応し(そう、通話料無料のカスタマサービスがあるのだ)、いい方法を考えてくれるだろう。

さて、掲載に際して会社名を出さなければならないというルールについて説明しよう。多くのリクルーターの仕事は臨時のものだ。彼ら自身がポストの空きを埋めるのでない限り、リクルーターに収入は入らない。そのためリクルーターは一般に会社名を出したがらない。出してしまうと、求職者が直接会社にコンタクトして、リクルーターがコミッションを受け取れなくなるからだ。従来の求人広告で就職先の会社名がまったく曖昧になっていることが多いのはこのためだ。

あいにくと、この手は私たちのところでは使えない。私の知る優れたソフトウェア開発者はすべて、どこで働くかについて選択肢を持っている。彼らは「トップクラスの投資銀行」で働きたいとは思わない。働き場所としてすごくいい投資銀行がいくつかあるが、他はタコ部屋だ。倫理的なところがいくつかあり、倫理的に問題のあるところがたくさんある。スーツ着用が義務づけられているところと、ビジネスカジュアルのところがある。それだから私たちは採用をしている会社の名前を知りたいのだ。悪いけど、会社名を明かしたくないリクルーターが文句を言うのはお門違いだ。Craigslistに行くといい。

今日から、このサイトの様々な場所に求人掲示板への小さなテキストリンクが現れる。Joel on Softwareのホームページにランダムに選んだ採用情報を実験的に表示してみるつもりだ。採用情報へのリンクは、ディスカッションボードにも、RSSフィードにも、メーリングリストにも追加される。加えて、光る巨大な踊るハムスターが光るハムスターの歌を歌いながら求人掲示板を指す看板を掲げるので、小さな帽子を見つけてクリックしてやらないと続きが読めなくなる。

ハムスターの部分は冗談だよ。

現在のところは、見ての通り、jobs.joelonsoftware.comのシステムはごく原始的なものだ。そう、あなたが目にしているのは「野生のアジャイル開発」なのだ! ノアと私とで3週間かけてサイトのデザインとコーディングをした(この期間には2週間の休暇が含まれている)。検索機能もソーティング機能もない。複数の採用情報をまとめて投稿する手段もない。これがどんな具合になるか少し見守りたいと思う。関心を引くことができるのか、そしてプログラマがシステムを改善するのを支えられるほど収入が得られるのかどうか確かめたい。


(オリジナル: Introducing jobs.joelonsoftware.com)

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